おっさん天国 物欲の泉

日々物欲にまみれ、煩悩の海に溺れて暮らすおっさんがおススメしたい、あんな物・こんな事をご紹介いたします。

犬神家の一族



 

 さあそれでは満を持して横溝正史シリーズのことを書いてみようかと思います。てかほぼほぼほったらかしブログのコピペ」なんですけど・・・2006年の7月25日に書いたものです。

 

(前略)何から紹介しましょうか。う~ん、好きな作品からにしようかな。でも、そうすると最後の方はやる気が失せて『やっつけ仕事』になってしまう可能性があるぞ。それはならん、断じてならん!

というわけで放映順にやるのがあたりさわりがなくて一番いいんじゃないか、つうわけで、第一回目は、あの

犬神家の一族

について書いてみます。


放映は1977年4月2日から4月30日の全5回。

出演(古谷一行以外)
京マチ子
月丘夢路
小山明子
岡田英次
西村晃
ハナ肇他となかなか豪華。

監督
工藤栄一
音楽
真鍋理一郎


この作品が記念すべき横溝正史シリーズの第一作です。この作品は映画版の方が何度もテレビで放映されているが故、カタギの方でもストーリーの展開や犯人をよく知っていると思われます。だから今回はそれ以外のディテールといえば聞こえはいいのですが、マニア以外には極めてどうでもいい事について解説をしてみようと思います。


 まずはこの事については絶対に触れておかなければなりません。
今日まで、“よしゃあいいのに”続いている古谷一行金田一耕助がここにデビューをします。
原作に近い(あくまでもファッションが)金田一耕助という意味では、石坂金田一の方が一足先に映像化されているのですが、今となってはテレビという手短かなところで長くやっているだけあって、一般的には古谷金田一の方がスタンダードになっている感があります。故に古谷金田一=原作の金田一という“間違った”認識が由々しくも定着しているのですが、いい機会ですからこの点を正したいと思ってます。具体的にはどんな点がって言うとですね。


1・金田一耕助は物凄く貧乏である!

第一回目の放送から“家賃をため込んで・・・”云々、といった台詞があって、このことはパート1、パート2を通じてず~~っと描かれています。しかし、原作では金田一耕助は別に特別貧乏ってことにはなっていません。特に昭和30年頃の東京が舞台の作品では、緑ヶ丘荘という高級アパートに住んで朝食にトーストを食べている金田一耕助が登場します。だいぶイメージが違いますよね。
テレビでは推理の才能はあるけど金儲けにはあまりこだわらない、そういう親しみやすいイメージにしたかったのかなとか思ったりしてます。
原作で金田一は着るものなんかには無頓着って書いてありますが=貧乏ってことではないんです。もっともその頃は日本全体が貧しい時代だったわけで、仮に金田一耕助が貧乏だったとしても、それは彼が特別だってことじゃないんですけど。


2・金田一耕助は推理に行き詰まると逆立ちをする。

これは古谷金田一のオリジナル。原作ではそんな記述はありません。それとついでに言っておくと、原作の金田一はテレビのようにがむしゃらには走りません。このがむしゃらに走るというシーンは石坂金田一がきっかけで、古谷金田一がそれを強調し、片岡金田一で頂点を迎えたという感じがします。その反動か、その後の新しい金田一はあまり走らなくなったように思いますが、個人的には走っても走らなくてもどちらでもよいです。

3・金田一耕助はいい人で犯人に同情的。

必ずしもそうではありません。原作ではむしろ同情する余地もない犯人にはキツ~イ言葉を浴びせてます。(迷路荘の惨劇)

4・相棒『日和(ひより)警部』の存在。

犬神には出てませんが、このあとレギュラーとして定着する長門勇氏が演じる日和警部。なんとも頓珍漢なキャラが案外癒し系。ただ原作の中では『日和警部』ってキャラは存在しません。東の等々力警部、西の磯川警部っていうキレモノの相棒は存在するんですけど。でもまぁこの日和警部って言う、岡山弁丸出しのすっとぼけたキャラが、ともすれば重くなりがちなストーリーの中で中和剤的な役割を演じていて、他に代えがたい存在感があり、個人的には大好きなキャラであります。とまあそんなとこかしら。

 

この『犬神家の一族』。作者もことの他高く評価をしていて、ある部分においては映画よりもいいとまで言っています。
もっとも、それまでが映像化されたとしても原作とは似てもにつかない作品ばかりだったんで、至極当然と言えば当然の話かもしれません。『蒼いけものたち』がいい例なんですが、これについうては後日書かせていただきます。


話は変わりますが、この『犬神の一族』の第一回放送の時のことを私は割りによく覚えています。確かその日は親戚のおばさんが家に遊びに来ていて、一晩泊まって行きました。普段だったらとっくに寝てしまっているはずなんですけど、その日に限っては親に夜更かしを許してもらい、この番組の第一回放送分をたまたまそのおばさんと一緒に見てしまいました。別に見ようと思って見ていたのではなく、あくまで“たまたま”だったのです。あれから45年・・・
ブームはとっくに終わったっていうのに、いまだに横溝・金田一を追っかけ回し、おまけにブログでこの番組について解説をすることになろうなんて、当たり前ですが、その時はまったく考えもおよばないことでした。しかしなんですね、年は取りたくないもんですねぇ、まったく。

というわけで、次は『本陣殺人事件』について解説をしてみようと思うので、お付き合いのほど、よろしゅう頼んますです、ハイ。

 

 

今改めて2006年のこの文章を読むと、全然解説してねえジャン!!!って自分自身にツッコミを入れたくなります。まあこの次の『本陣殺人事件』はモアベターよん・・・・だといいな(苦笑)

 

この記事以外の『横溝正史シリーズ』をご覧になりたい方は↓こちらからどうぞ。

ossan1967.hatenablog.com

 

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