おっさん天国 物欲の泉

日々物欲にまみれ、煩悩の海に溺れて暮らすおっさんがおススメしたい、あんな物・こんな事をご紹介いたします。

YMO《BGM》の思ひ出



 

 

先日、松岡直也氏の作品を紹介させてもらいましたが、今回は大好きなYMO中期の名作『BGM』についてご紹介させてもらいます。

 

 1980年。2回目の世界ツアーが終わり、日本に帰って来た彼らはしばらくして次のアルバムの制作にとりかかります。それがこの《BGM》です。中1の春。もうじき2年になるというタイミングで、このアルバムを聴いたときのガッカリ感は、今でも鮮明に覚えています。

 彼らが作り上げたBGMは、それまでのキラキラしたシンセサウンドとは真逆のダークなサウンドで、それを聴いた瞬間、「なんだこりゃ!」と思ったものです。一曲目の《BALLET》を聴き終わり、次こそは次こそはと期待しながら聴いていたのですが、結局私の期待に応える曲はなくそのまま最後の《LOOM/来たるべきもの》まで進み、結果「何これ。買わなきゃよかった。」となったのでした。中学生がなけなしの小遣いで、一球入魂で買ったアルバムが、本人の意図とはまったくかけ離れたものだったので、裏切られたとすら感じたものです。のちにそれはメンバーが意図してやったことであることを知りましたが、その時の私の受けたショックは相当なものでした。大人になった今は、彼らが何を意図してこの作品を作ったのか、なんとなく理解できるようになりましたが。

 とにかく買った以上は元をとらなきゃという、生まれついての貧乏性故に、我慢して聴いているうちに(笑)このアルバムがどんどん好きになってしまい、気がついたら私的にはYMOのベストアルバムとなっていました。このアルバムとJAPANの『ブリキの太鼓』で私の音楽的な嗜好が確立されてしまったといっても過言ではありません。いいのか悪いのかわかりませんが。

 ウィキペディアでいろいろと調べたところ、この作品は冒頭で書いた通り、1980年の年末に世界ツアーから帰ってきて、武道館でのライブを終え、翌1981年の1月15日から2月20日まで、締切のギリギリまでレコーディングが行われたようです。海外の大物ミュージシャンがヘタをすらと年単位でアルバムを作ることを考えると、えらく短期間で制作されたようです。そしてアルバムの発売は3月21日てすから、相当にタイトなスケジュールであったことがわかります。このアルバムには歌詞カードがついてなかったのは、スケジュールの関係で歌詞カードが間に合わなかったからみたいですね(苦笑)

 

 このアルバムと次のアルバム《テクノデリック》で、YMOは私の求めているものとはまったく別のバンドになってしまい、彼らの思惑通り中学生2年のテクノ少年の心は彼らから少しずつ離れ、距離をおいてバンドの動向チェックするというような感じになってしまいました。そして彼らの代わりを探しているうちに聴くようになったのがJAPANでした。というわけで次回はJAPANについて書いてみようと思います。

 

 

 

いい時代ですね。今だったら無料で聴けるんですから。

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