おっさん天国 物欲の泉

日々物欲にまみれ、煩悩の海に溺れて暮らすおっさんがおススメしたい、あんな物・こんな事をご紹介いたします。

八つ墓村

 

前回、横溝正史シリーズのパート1最後の作品、『悪魔の手毬唄』についていろいろと書いたわけですが、その終わりのところで≪あんまり期待しないで待ってて≫とか言ってクセに、その舌の根も乾かぬうちに、パート2について書くであります。

 

 

 

「たたりじゃあ~!」

 


我々の世代の人間なら誰だってこのセリフを覚えていることと思います。

1977年、TBS系列で放映され、あまりに大好評だった『横溝正史シリーズ』。
一年後、『横溝正史シリーズⅡ』が始まりました。全9話30回の放映でしたが、その一発目が『八つ墓村』。

放映
1978年4月8日から5月6日までの全5回

出演(古谷一行以外)
荻島真一
松尾嘉代
鰐淵晴子
内田朝雄
中村敦夫
常田富士男


監督
池広一夫

音楽
真鍋理一郎


あらすじ

 昭和24年。神戸に住む寺田辰也は天涯孤独な身の上であった。しかし、ある日、自分のことを探している者がいることをラジオで知る。
 窓口となった弁護士の事務所で辰也は自分が岡山県の『八つ墓村』の生まれで、本当はその村の資産家『多治見』家の人間だと教えられる。多治見家は跡継ぎの必要から辰也を探していたのだ。
しかし、辰也を迎えにきた実の祖父『丑松』が辰也と面会中、弁護士の事務所で変死する。死因は毒殺であった。
 辰也は多治見家の親戚筋にあたる『美也子』の案内で八つ墓村に向かうが、村人達の辰也を見る目は敵意と警戒に満ちていた。
やがて、辰也の周りで次々と連続殺人事件が起こる。
そしてそんな中で、辰也は自分の出生の秘密を知る。
辰也の父親は26年前発狂し、村人32人を惨殺し行方不明になっていたのである。
 たまたま(苦笑)村に居合わせた金田一耕助は、相棒の日和警部を引っ張り出して(大苦笑)捜査を始めるが辰也は警察からも村人からも疑いの目を向けられ、のっぴきならない立場に追い込まれていく。
 金田一の推理で事件は解決をするが、その後辰也は・・・

 

 

ん・・・私、この作品をどう表現していいのかわからないんですよね。ん・・・原作にはそこそこ忠実なんだけど・・・
原作に出ている出演者を省いているが故に、(それ自体はよくある話ですが)最後の方が原作とはちょっと(?)違ってるんですよ。

 『横溝正史シリーズⅡ』全体を見れば、それほど悪いデキじゃあないんですけど、なんかピンと来ないのはなんでなんでしょうか。(個人の感想です)前にも書きましたが、パート2全体になんか『手抜き感』みたいなものが感じられるのですよ、パート1に比べて。シリーズを通して見ればわかりますが、この作品以降は音楽だって使い回しになってるし。
この作品にしても原作という“素材”はいいのですが、それをうまく表現しきれていないっていうのか。コストダウンの影響かしら。

 

 とまぁ、あんまりネガティブなことばかり書いてもしょうがないんで、ちょっと違った視点から解説をしてみようかと思います。
映画の方は二度映像化されてますが、最初の方は金田一耕助を“渥美清”そう、あの“寅さん”が演じてます、なにせ松竹の作品なんで。ちなみにオイチャンもちょっと出てたりなんかして、思わずニタ(*^.^*)ってしちゃいます。ちなみに、テレビ版の舞台は戦後だけど、映画の方は現代(1970年代)。
そうそう、映画の方での二代目“八つ墓金田一”はトヨエツですが、これは見ないほうがいいと思います。

 

で、テレビと映画(渥美版)を比べた場合、個人的には映画の方が断然いいですね。ただ当時はオカルトブームの最中で、この作品の最後の方はそういうご趣向になっているのがちょいといただけないし、今見るとかなりイタ感じがします。でも、音楽もいいし、「原作とはちょっと違うんだけど・・・」という前提で結構楽しめるってとこは」あります。
然るにテレビ版の方なのですが・・・なんでこの作品をパート1の方でやらなかったんだろう。諸事情はあったものとは思うのです、もっと気合いの入りまくったいい作品になったであろうにと思わなくもありません。

 

ちなみに戦前の話ですが、一人の男が住んでいた村の人間を次々と殺したっていう事件は実際にあった話です。所謂横溝氏はその事件をモチーフに八つ墓村を書き上げたってわけです。詳しく知りたいそんな変態のあなた。以下のYou tubeをご覧ください」

 

 

youtu.be

 

 

さて、そんなこんなで次回に続きます。

 

パート1はこちらから↓ご覧ください。

ossan1967.hatenablog.com

 

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