中学の時、親に頼み込んでラジカセを買ってもらいました。その辺りの経過を話すととてつもなく長い文章になってしまうので、書き出しからいきなりですが、ちょっとはしょらせてもらいます。買ってもらったのはAIWAのCS75Xってヤツで、今でいうコスパに優れたラジカセでした。本当はパイオニアとか、ソニーとかの“高級オーディオメーカー”のオシャレなヤツ(高価格)が欲しかったのですが、何しろ中学生ですからスポンサー様の意向には逆らえません。
とにかくこのラジカセで色んな音楽を聴き、ラジオのエアチェックし、当時友達とやっていたテクノ系バンドのピンポン録音にも使いました。
しかし、私が高校生の頃には世はミニコンポの時代になりつつありました。そういうミニコンポは、ダブルカセットが当たり前、当時普及し始めたCDプレーヤーも付いて、それまで気に入って使っていたCS75Xは、わずか5~6年で一気に私の中で旧式化してしまい、「こんなの嫌だ、ミニコンポ欲しい!!!」となってしまったのであります。
で、大学に入る前に気合いを入れてアルバイトをして、ビクターのミニコンポを買いました。それと同時にCS75Xはお払い箱。いつしか家からいなくなってしまいました。さて、ここからが本題です。
過日、昭和40年男って本を読んでいたら、その中にラジカセの特集みたいなのがあって、その流れでついついヤフオクでCS75Xを探してしまったんですね。出て来ました、ビックリするほどあっけなく。
商品の状態はというと、カセットが動かないらしく“ジャンク”扱いでしたが、「別にそれで音楽を聴こうとは思わないし、オブジェとして持っていたいだけだから関係ないわ。」って感じで、軽い気持ちでポチっとしてしまったわけです。まあ多少アルコールが入ってた勢いてのもあります。
で、翌日。落札したというメールが届き、「あちゃー(;^ω^)」と思いましたが、サクサク支払いを済ませたところ、その翌日すぐに山形から荷物が届きました。ポチっとしてからここまで約二日半。嗚呼、酒の勢いって恐ろしい。
それはそれとして、久しぶりに目の前に現れたCS75X君は、当たり前ですが当時と寸分違わない姿で、ツマミの一つ一つに時代を感じさせてくれます。もう涙腺が軽く決壊してしまいそうです。
よく言えば多感な頃、悪くいうと文字通り中二病全開な時期に、このラジカセでいろんな音楽を聴きました。私の音楽の偏った好みは全てこのラジカセから始まったと言っても過言ではありません。
あと単に音楽のことだけではなく、部活のことだとか当時好きだった女の子のことだとか、高校受験のことだとか、本当にいろんなことを次から次へと思い出しました。決していい思い出ばかりではないというよりは、むしろ当時は悩みばかりで辛い毎日だったよう気がするのですが、今となっては全てが懐かしく思えます。気分は沖田十三です。
ラジカセを買ったのですが、その当時のいろんな思い出が瞬時に頭の中に甦ってきて、何かラジカセ買ったというより思い出を買ったんじゃないかって気がしてきました。
CS75X、せっかく買ったんだからオブジェとして大事にしようと思います。
終
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