ヤフオクでまた落札をしてしまい、昭和なガラクタがひとつ増えてしまったってお話です。
私が子供の頃、そう昭和５０年代の前半でしょうか。日本のサラリーマンは皆プロ野球が大好きでした。その頃は毎日どこかのテレビ局でナイターをやっていて、オジサン達は贔屓のチームの勝ち負けに一喜一憂していたものです（たぶん）。
さて、実父もそんなサラリーマンの一人でしたが、このナイターというのが、その当時は８時５０分頃には中継が終わり、通常の番組に切り替わるので、うちのオヤジなどある時期までは車に行ってラジオで続きを聴いていたものです。
でもたぶんそれが面倒になったのでしょう。ある時小型のラジオを買い、仕事が早く終わった日は、テレビの中継が始まる７時までは居間でそれを聴き、そのあとはテレビ。そしてテレビが終わると再びラジオをつけて聴くという、プロ野球にさほど興味のないそれ以外の家族には極めて迷惑な、ある意味拷問のような荒業を駆使するようになりました。
前置きが毎度毎度長くなってすいません。今回ヤフオクで落札したのは、当時オヤジが使っていたのとまったく同じ型、同じ色のAIWA製ラジオで、その名もAIWA AR-77７。出品者によると電池を入れれば今でも使えるとのこと。でも別にラジオを日常的使うってことはないので、そのまんまあの部屋に飾ろうと思います。
このラジオを手にとってシゲシゲと眺めていると、オヤジは本当にプロ野球が好きだったなぁと。てかプロ野球だけじゃなくて、高校野球も大好きでした。後年BSで大リーグの中継が見られるようになると、夏休みの土・日など、朝っぱらから大リーグの中継を見て、時間になると甲子園の中継に切り替え、それを夕方まで見て、夜はプロ野球のナイターという、正直「この人頭おかしいんじゃないか？」と、ついつい首をかしげてしまうような野球三昧の一日を過ごしていました。
今やプロ野球のナイターも地上波での放送はほとんどなく、少なくとも私の周りでは、WBC以外そういう話題で盛り上がることは一切ありません。そのWBCも大リーグで活躍している選手以外は誰も知らないし、去年のリーグ戦や日本シリーズで何処が優勝したかなんて、まるっきり覚えてないっていう人も多いんじゃないでしょうか。
話はだいぶ横道にそれましたが、このラジオを見ていると、当時は本当に嫌で嫌で仕方ありませんでしたが、モモヒキ・ステテコという、加藤茶のコントのような姿で居間に寝っ転がり、ナイターを聴いていたオヤジの姿が頭に浮かびます。
仕事のこととかいろいろと大変だったとは思いますが、そういう夢中になれるものがあったあの人は幸せだったなと。今の自分の日常とついつい重ね合わせてしまう今日この頃であります。
