おっさん天国 物欲の泉

日々物欲にまみれ、煩悩の海に溺れて暮らすおっさんがおススメしたい、あんな物・こんな事をご紹介いたします。

獄門島

 



 

じゃあ横溝正史シリーズ5作目『獄門島』いきます。

 

放送
1977年7月30日~8月20日までの全4回

出演(古谷一行以外)
中村翫右衛門
河原崎長一郎
金子信雄
浜木綿子
仲谷昇
角野卓造
三善英史(#+_+)

監督
斉藤光正

音楽
中村八大


あらすじ

戦後、南方の戦線から帰国の途にあった金田一は、復員船の中で、戦友『鬼頭千万太』の最後をみとった。
そして、「自分が生還しないと三人の妹達が殺される・・・。俺の代わりに獄門島へ行ってくれ。」という恐ろしい言葉を託された。
戦友との約束を守り、金田一は帰国後、千万太の故郷、獄門島へ向う。

しかし、金田一の努力も虚しく、三人の娘達は次々と殺されてしまう。それも、とても奇妙な方法で・・・
一人は梅の木に逆さ吊りにされ、一人は寺の吊り鐘の中に押し込まれ、最後の一人も死体には萩の花がばら撒かれていた。
封建的で排他的、そんな異常な島で起きた事件を解くカギは、意外にも、金田一が宿泊していた千光寺の部屋で使っている、枕屏風にある三つの俳句の中にあったのである

 

この作品は横溝正史が戦後、本陣殺人事件の次に発表した(由利先生の蝶々殺人事件を除く)金田一もので、いわゆる日本版『マザー・グース殺人事件』です。
当時、海外ではアガサクリスティーやエラリークイーンなどが童謡の歌詞の通りに殺人事件が起こる『マザー・グース殺人事件』を書いてますが、横溝正史はそれを俳句という純和風な道具で表現をすることに成功しています。
それにしても、この映像・・・あまりに素晴らしい仕上がりです。原作がいいのはもちろんだけど、それを忠実に、しかも実に丁寧に表現しているのがいいんですよね。
中村八大の音楽も非のうちどころがないです。和楽器を効果的に使い、時に憂いを秘めて、時にコミカルに、芸術的な映像を影からガシっと支えています。
出演の方々の演技も実に渋い。そう言ってはなんですが、突出した存在感のある俳優さんはいません。けれども、一人一人が実に味のある上手な演技でこのドラマを最高のデキに仕上げているのです。

この話も石坂映画版が存在しますが、テレビ版の方が映画のクオリティを完全に越えてます。断言すると・・・

 

この『獄門島』は横溝正史シリーズの最高傑作である!


この原作を横溝正史の最高傑作と評するマニアも多いです。
ある専門家によると「日本のミステリーの最高傑作、世界ベスト10を選らんでも上位にランクされる。」とベタ褒め。
確かに素晴らしい原作だと思います。ただ、個人的にはこのあと放送された『悪魔の手毬唄』の方が好きだったりします。
そういえば『悪魔の手毬唄』もある意味、マザー・グース殺人事件だった。って話がうまく次回に繋がったところで、今日はこのあたりで終わりにさせていただきとうございます。お楽しみに(?)

 

この記事以外の『横溝正史シリーズ』をご覧になりたい方は↓こちらからどうぞ。

ossan1967.hatenablog.com